今年の春は少し遅くて、
梅、桜、水仙、そしてタムシバの花が同時に開花。
長く白い雪の世界に居た私たちには、
花があちらこちらで咲いて、それは美しい春の始まり。
この辺りでは『コブシが咲いたらジャガイモを植える』と言われていて、
ジャガイモ=春の畑のトップバッター=農作業の始まりです。
そしてこの辺で『コブシ』と呼んでいるのは実は『タムシバ』で、
とても良い香りの花が咲き、
この花の若芽をちぎりお湯を注ぐと、
とても美味しい『タムシバティー』の出来あがり。
なんともいえない良い香りに、体がゆるゆるとほどけます。
タムシバの花の芯。
美しい。
この地に越してきて3年目を迎える春。
田舎のリズムが体に染み込んできたのか、
季節による自然の変化に自分の行動もリンクするようになって、
手足が自由に伸ばせるようになってきたような。
今年はジャガイモの種芋を買い忘れたので、
去年収穫して貯蔵したまま、芽がひょろりと伸びたジャガイモを植えました。
大丈夫かなぁと思っていたけれど、
今朝畑に行ったらちゃんと芽が出てて一安心。
あのひょろっこい芋からどれだけのものが穫れるか、楽しみ。
畑の野菜作りも去年の出来ごとを踏まえて、今年は応用編。
美味しい野菜をまだ見ぬ人に届けるために、
あれしようこれしようと、少々てんこ盛りすぎる程のアイデアが沸いて来る。
仕事を減らした分、野菜作りをがんばろう。
(収入は減るけど!・・・そういう時期も人生にはあると思って)
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畑に立てることが幸せだと思う。大切な私の拠り所。
土を手にとり固めたりほぐしたり、
じぃぃっと観察したり、匂いをかいだり、飽きることがない。
土がお母さんだとしたら、野菜は子ども。
子どもの世話はそれなりに手間だけれど、お母さんの健康あってこそ。
お母さんを健やかにする為に観察する。手を施す。
お母さんからいい匂いがすると、私も安心する。
畑をしたい!と思ったのは、
お義母さんの実家(農家)の畑と出会ったときから。
なだらかな丘に野菜畑や果樹畑が続き、それは夢のような素晴らしい場所で、
背中にした背負子(しょいこ)の中へ穫れたてのトマトやキュウリ、
トウモロコシをたくさん入れて、
つやつやした野菜の輝きに我慢できなくてその場で齧りついた。
土間にたくさんの野菜が並んで、豊かな光景だった。
朝は産みたて卵の卵かけご飯。美味しかったなぁ・・・
あのときの感動と憧れが、今ここに繋がってる。
あのときが無ければ、私はここに居ないかもしれない。
その場所は福島県の中にある。
心が苦しくて、遣りきれない。